徳島市や板野郡で平屋を検討し始めると、まず「相場はいくらか」を調べることになります。そして必ず「平屋は坪単価が高い」という話に行き当たります。
これは事実です。
ただし、これをそのまま「平屋は高い」と受け取ると、判断を誤ります。坪単価が高いことと、総額が高いことは別の話だからです。相場を坪単価だけで測ろうとすると、ここで確実につまずきます。
この記事では、徳島市周辺で平屋を建てる場合の相場を、坪単価・建物総額・土地を含めた総額の3段階に分けて整理します。公的調査の実数も、その数字をどう読むべきかも含めて載せています。
結論を先に
- 平屋の坪単価が高くなるのは事実。理由は基礎と屋根が2倍になるから
- ただし階段・2階設備・足場が不要になるため、同じ延床面積なら建物総額の差は坪単価の差ほど大きくない
- 平屋で予算が膨らむ最大の原因は建物ではなく、「広い土地が要る」という思い込み
- 判断すべきは坪単価ではなく、土地+建物+付帯工事+外構+諸費用の総額
- 「徳島県の平均◯◯万円」という相場の数字は、そのまま自分に当てはめられない(理由は後述)

なぜ平屋は坪単価が高くなるのか
同じ延床30坪の家を、平屋と2階建てで比べます。
| 平屋30坪 | 2階建て30坪 | |
|---|---|---|
| 1階の床面積 | 30坪 | 15坪 |
| 基礎の面積 | 30坪分 | 15坪分 |
| 屋根の面積 | 30坪分 | 15坪分 |
基礎と屋根が、そのまま2倍になります。
基礎も屋根も、住宅のなかで単価が高い部位です。ここが2倍になれば、延床あたりの単価——つまり坪単価は当然上がります。これは工法や会社を変えても変わらない、構造上の事実です。
「平屋は高い」という話の出所は、ほぼこれです。

では、建物の総額はどうか
坪単価が上がる一方で、平屋では消える費用もあります。
- 階段が要らない(階段そのものの費用と、階段が占める床面積)
- 2階のトイレ・洗面が不要になることが多い
- 足場が低くなる(工事費・将来のメンテナンス費とも)
- 構造がシンプルになる(2階を支えるための梁・柱の負担が減る)
さらに、将来のメンテナンス費が明確に違います。外壁と屋根は10〜20年周期でメンテナンスが必要ですが、平屋は高所作業が少なく、足場費用が抑えられます。この差は1回のメンテナンスで数十万円単位になります。
つまり、
坪単価:平屋のほうが明確に高い
建物総額:差は縮む
生涯コスト:さらに縮む、逆転することもある
「平屋は高い」という一言は、この3段階のうち最初の1つだけを見た話です。

相場の実数|公的調査で徳島県はいくらか
判断の基準として、公的な調査データを載せておきます。出典は住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査」の注文住宅(土地取得なし)です。
| 項目 | 全国 | 徳島県 |
|---|---|---|
| 建設費 | 3,932.1万円 | 3,415.4万円 |
| 住宅面積 | 118.5㎡(約35.8坪) | 102.7㎡(約31.1坪) |
| 上記から算出した坪単価 | 約110万円 | 約110万円 |
| 調査件数 | 3,272件 | 11件 |
この表で本当に見ていただきたいのは、金額そのものではなくいちばん下の行です。
徳島県のデータは11件しかありません。 参考までに近隣3県を並べると、香川県13件で2,970.8万円、愛媛県37件で3,079.5万円、高知県16件で4,302.2万円。同じ四国で1,300万円以上の開きがあります。これは県ごとの実力差ではなく、単に件数が少なくて数字が安定していないだけです。
つまり「徳島県の平均は3,415万円だから、うちもそのくらい」という読み方はできません。
一方で、坪単価が全国と徳島でほぼ同じ(約110万円)という点は示唆的です。徳島の建設費が全国より約500万円低いのは、単価が安いからではなく建てている家が小さいから(118.5㎡ → 102.7㎡)。地方だから安く建つ、という話ではないということです。
※ この数値は平屋・2階建てを区別していない全体平均です。また、フラット35利用者に限定した調査であり、すべての注文住宅の平均ではありません。目安としてのみご覧ください。
平均値は「自分の計画の桁が合っているか」の確認にだけ使ってください。
総額は6つの要素でできている
相場を知るうえで、いちばん実務的なのはこれです。家づくりの総額は、次の6つの合計です。
| 要素 | 内容 | 見落としやすさ |
|---|---|---|
| ① 土地 | すでにお持ちなら不要 | — |
| ② 建物本体 | いわゆる「坪単価×坪数」の部分 | — |
| ③ 付帯工事 | 屋外給排水・電気引込・地盤改良 | 高い |
| ④ 諸費用 | 登記・ローン手数料・火災保険・税金 | 高い |
| ⑤ 外構 | 駐車場・アプローチ・塀・植栽 | 最も高い |
| ⑥ 家具・家電・引っ越し | — | 中 |
「相場はいくら」と検索したときに出てくる数字は、ほぼ②だけです。 前掲の公的調査も②の数字です。
③〜⑥を見落としたまま予算を組むと、後半で必ず削る作業が発生します。そして削られるのはたいてい、暮らしの質に直結する部分です。
参考までに、わたしたちの建物本体価格は1,000万円台からです。 ただしこれも②の話であって、住めるようになるまでの総額ではありません。ここに③〜⑥が乗ります。「本体価格がいくらか」ではなく「住めるようになるまでいくらか」を、最初の段階で出してくれる会社を選んでください。
本当に総額を押し上げるのは「土地」
ここが一番大事なところです。
平屋を検討して予算が合わなくなる方の大半は、建物ではなく土地で膨らんでいます。
平屋は、同じ延床面積でも2階建ての約2倍の建築面積が必要です。そこに駐車場と庭を足すと、必要な敷地は確実に広くなります。
このとき、多くの方が「南向き・角地・日当たり良好」の土地を探します。 徳島市内でも板野郡でも、こうした条件の整形地は坪単価が明確に高い。広い土地 × 高い坪単価で、土地代が一気に膨らみます。
これが、平屋で予算オーバーする典型的な流れです。
対策|土地に日当たりを求めるのをやめる
家の中に中庭があれば、光は自分の敷地の中から取れます。 南道路である必要も、角地である必要もありません。
- 北道路の土地
- 旗竿地
- 周りを建物に囲まれた土地
こうした「条件が悪い」とされる土地は、同じエリアでも坪単価が下がります。徳島市内・板野郡周辺でも、条件によって土地の価格帯は大きく変わります。
土地の条件を落として、広く安く買う。浮いた分を建物に回す。 これが、平屋の予算を成立させる現実的な方法です。
中庭を挟めば、外からの視線を遮ったまま大きく開口できます。同じ面積でも体感の広さが変わるため、「広い土地を買って庭を外に置く」より効率がいい。実際にわたしたちが手がけた住まいでは、木造平屋・延床105.99㎡(32.06坪)で3LDK+中庭という構成が成立しています。

徳島で見落とされやすい費用|地盤改良
徳島市周辺で特に注意していただきたいのが、地盤改良費です。
徳島は吉野川流域の平野部が多く、地盤改良が必要になるケースがあります。費用は数十万円から百万円台まで幅があり、土地の契約後に地盤調査をするまで確定しません。
つまり、土地を決める段階では金額がわからない。それでも予算には必ず計上しておく必要があります。ここを見込んでいないと、着工前に想定外の出費が乗ってきます。
平屋は建築面積が2階建ての約2倍になるため、改良が必要な場合の面積も広くなります。 平屋を検討するなら、この項目は特に厚めに見ておいてください。
見積りを比較するときの4つの注意点
複数社を比較される方へ、実務上のポイントです。
- 「本体価格」の範囲を揃える
会社によって、本体価格に含まれる範囲が違います。屋外給排水、地盤改良、照明、カーテン、外構——これらが含まれているかで、同じ金額でも中身がまったく違います。 - 総額で比較する
建物本体だけでなく、付帯工事・諸費用・外構・土地を含めた総額で並べてください。 - 地盤改良費を見込んでおく
概算段階では必ず見込み額を計上してください。数十万〜百万円台の幅があります。 - 坪単価では比較しない
坪単価は、含まれる範囲と延床面積の取り方でいくらでも変わります。比較の道具としては使えません。
まとめ
- 平屋の坪単価が高いのは、基礎と屋根が2倍になるという構造上の理由。これは事実
- ただし階段・2階設備・足場が不要になるため、建物総額の差は坪単価の差ほど大きくない
- 生涯のメンテナンス費まで含めると、差はさらに縮む
- 公的調査の徳島県平均は3,415.4万円だが、調査件数11件なので相場としては使えない
- 総額は6要素の合計。検索で出てくる「相場」は建物本体だけの数字
- 平屋で予算が膨らむ主因は建物ではなく土地
- 「日当たりのいい土地」を前提から外すと、平屋の予算は組みやすくなる
- 徳島では地盤改良費を必ず見込む
よくある質問
徳島市で平屋30坪を建てると、総額いくらくらいですか?
仕様・土地条件・地盤によって幅が大きく、一律の金額はお伝えできません。ただし総額を構成する要素は決まっています。土地、建物本体、付帯工事、外構、諸費用、地盤改良の6つです。この6つを埋めていけば、ご自身の条件での概算は出せます。ご相談いただければ、条件をお聞きした上で内訳をお出しします。
SIMPLE NOTE 徳島北スタジオの建物価格はいくらからですか?
建物本体価格で1,000万円台からです。ただしこれは建物だけの金額で、実際には付帯工事・諸費用・外構が加わります。建物本体の価格に何が含まれていて、何が含まれていないかは会社によって差があるため、見積もりの段階で必ず確認してください。土地をお持ちでない場合は、さらに土地の費用が必要です。
徳島県の平均が3,415万円なら、その予算で建てられますか?
その読み方は避けてください。この数字は住宅金融支援機構の調査によるものですが、徳島県の調査件数は11件しかありません。近隣を見ると香川県2,970.8万円、愛媛県3,079.5万円、高知県4,302.2万円と、同じ四国で1,300万円以上ばらついています。件数が少なく数字が安定していないためで、県ごとの実力差ではありません。平均値は「自分の計画の桁が合っているか」の確認にだけ使ってください。
平屋と2階建て、結局どちらが安いですか?
土地をすでにお持ちで、それが狭い場合は2階建てが有利です。土地からお探しで、条件を選べる場合は平屋でも十分成立します。建物だけを見れば2階建てが安く、土地と生涯コストを含めると差は縮みます。前提条件次第です。
徳島で地盤改良費はどのくらい見ておけばいいですか?
数十万円から百万円台まで幅があり、土地の契約後に地盤調査をするまで確定しません。徳島は吉野川流域の平野部が多く、改良が必要になるケースがあります。平屋は建築面積が2階建ての約2倍になるため、改良が必要な場合の面積も広くなります。金額が確定しない項目ですが、概算の段階から必ず予算に計上しておいてください。
ローコスト住宅と、デザイン住宅の価格差はどこから来ますか?
多くの場合、設計にかかる手間と、1棟ごとの仕様のばらつきです。わたしたちは構造や納まりを標準化した上で、間取りと素材は自由に選べる形をとっています。デザインを理由に価格が上がる構造にはしていません。
予算はいつ決めればいいですか?
土地を探し始める前です。順番を逆にすると、土地に予算を使いすぎて建物が削られ、結果として希望と違う家になります。住宅ローンの事前審査も、土地を探し始める前に受けておくことをおすすめします。予算の上限が確定していないと、良い土地が出たときに動けません。
徳島市・板野郡で平屋をご検討中の方へ
SIMPLE NOTE 徳島北スタジオ(株式会社スマイルFactory)は、徳島県板野郡北島町を拠点に、平屋と中庭のあるデザイン住宅を手がけています。設計から施工・アフターまで一貫して対応しています。
土地探しの段階からのご相談も承っています。「この土地で平屋が建つか」「この予算で何ができるか」——具体的な条件があるほど、具体的にお答えできます。
- 所在地: 〒771-0204 徳島県板野郡北島町鯛浜宇西ノ須33番地1
- 電話: 088-678-7557(10:00〜18:00/水曜定休)
- 建設業許可: 徳島県知事 許可(般-04)第70525号
- 宅地建物取引業: 徳島県知事 許可(1)第3023号
図面や写真では伝わらないものがあります。まずは実際の空間を見にいらしてください。
