工務店やハウスメーカーを比べるとき、まず目に入るのが「坪単価◯◯万円〜」という数字です。
先に結論をお伝えします。坪単価は、家の大きさを変えるだけで勝手に動く数字です。 小さい家ほど高く、大きい家ほど安く見えます。そのため、坪単価が安い計画のほうが、総額は高いということが普通に起こります。
坪単価は比較の道具には向きません。先に決めるべきは、総額の上限と、必要な広さです。
坪単価は「総額 ÷ 延床面積」でしかない
坪単価は、建物の価格を延床面積(坪)で割った数字です。
計算式はシンプルですが、ここに落とし穴があります。家の費用は、面積に比例する部分と、面積に関係なくかかる部分に分かれるからです。
| 面積に比例する部分 | 面積に関係なくかかる部分 |
|---|---|
| 床・壁・天井 | キッチン・浴室・洗面台・トイレ |
| 屋根・基礎 | 給湯器・玄関ドア |
| 断熱材・外壁 | 設計・確認申請などの手続き |
| 現場の準備・仮設工事 |
キッチンやお風呂は、25坪の家でも35坪の家でも1つずつ必要です。家が小さくなっても、この部分はほとんど減りません。
そのため、家を小さくすると「面積に関係なくかかる部分」を少ない坪数で割ることになり、坪単価は上がります。

仮の数字で計算してみる
仕組みを分かりやすくするために、説明用の仮の数字で計算します(実際の価格ではありません)。
- 面積に関係なくかかる部分:800万円
- 面積に比例する部分:1坪あたり60万円
| 延床面積 | 建物の総額 | 坪単価 |
|---|---|---|
| 25坪 | 2,300万円 | 92.0万円 |
| 30坪 | 2,600万円 | 86.7万円 |
| 35坪 | 2,900万円 | 82.9万円 |
同じ会社・同じ仕様でも、35坪の家は25坪の家より坪単価が約9万円安くなります。そのかわり、総額は600万円高くなります。
「坪単価が安いからお得」に見えても、実際に支払うのは総額です。25坪で暮らせるご家族にとって、35坪の坪単価の安さには意味がありません。
増えた予算には、金利もつく
建物の総額が増えた分を住宅ローンでまかなうと、利息が上乗せされます。
仮に300万円を、金利1.5%・35年の元利均等返済で借りると、
- 毎月の返済:約9,200円
- 総返済額:約386万円(うち利息 約86万円)
になります。家を5坪大きくする判断は、実際には300万円ではなく約386万円の判断です。
そしてその分は、家以外——教育費や車、旅行、老後の備え——に使えたはずのお金です。
会社によって「坪単価の計算方法」が違う
坪単価を比較に使えない理由は、もう1つあります。分母も分子も、会社によって定義がばらばらなのです。
分母(面積)の違い
| 面積の種類 | 含まれるもの | 坪単価の見え方 |
|---|---|---|
| 延床面積 | 各階の床面積の合計 | 標準 |
| 施工面積 | 延床面積+玄関ポーチ・バルコニー・吹抜けなど | 広く数える分、安く見える |
同じ家でも、施工面積で割れば坪単価は小さくなります。
分子(価格)の違い
「本体価格」に何が含まれるかも会社ごとに違います。照明・カーテン・屋外の給排水工事・申請費用などが本体に含まれる会社もあれば、別途の会社もあります。
つまり、A社の「坪単価70万円」とB社の「坪単価80万円」は、同じ物差しで測った数字ではないことがほとんどです。
比べる順番は「総額 → 広さ → 中身」
では、どう比べればいいのか。順番はこうです。
- 総額の上限を決める
土地・建物本体・付帯工事・諸費用・外構まで含めて、いくらまでなら暮らしに無理がないか。住宅ローンの事前審査もこの段階で受けておくと、上限がはっきりします - 必要な広さを決める
部屋ごとに「何をするか・何を置くか」から積み上げます。寝るだけの寝室なら6帖でシングルベッド2台が置けます。年に数回しか使わない客間は、本当に必要かを考えます - 同じ範囲の見積りで、総額を比べる
本体に含まれる範囲をそろえ、付帯工事・諸費用まで入れた総額で並べます - 坪単価は、最後に参考として見る
比較の物差しではなく、「桁が大きく外れていないか」の確認程度に使います

土地も「広いほうがいい」とは限らない
同じことは土地にも言えます。
必要な広さより10坪広い土地を買えば、その10坪分の土地代がかかります。仮に坪20万円なら200万円、ローンの利息を含めればさらに増えます。
しかも、土地が広くなると、
- 外構工事の面積が増える
- 固定資産税が上がる
- 庭の手入れが増える
と、買った後の費用もついてきます。土地も、暮らしに必要な広さから考えるのが基本です。
大きい家は、住んでからも費用がかかる
建てるときの費用(イニシャルコスト)だけでなく、住み始めてからの費用(ランニングコスト)も、家の大きさに比例します。
- 光熱費:冷暖房する空間が広いほど増える
- 固定資産税:建物の評価額は、床面積が大きいほど高くなる
- メンテナンス費:外壁・屋根の面積が大きいほど、塗り替えなどの費用が増える
坪単価の安さで家を大きくすると、この3つを数十年払い続けることになります。
まとめ
- 坪単価は 総額 ÷ 延床面積。キッチンや浴室など面積に関係ない費用があるため、小さい家ほど高く、大きい家ほど安く見える
- そのため 坪単価が安い計画のほうが総額は高いことが普通に起こる
- 増えた予算をローンでまかなうと利息も上乗せされる
- 会社によって面積(延床か施工面積か)も、本体価格の範囲も違うため、坪単価は横並びで比べられない
- 比べる順番は 総額の上限 → 必要な広さ → 同じ範囲での総額比較。坪単価は最後の参考
- 土地・光熱費・固定資産税・メンテナンス費も、広さに比例して増える
徳島で平屋を検討されている方は、平屋の坪単価がなぜ高くなるのか、総額では何が変わるのかを「徳島市で平屋の相場はいくら?」でまとめています。総額の組み立て方は「徳島の注文住宅、本体1,000万円台から|費用の内訳と工務店の選び方」をご覧ください。
よくある質問
坪単価が安い会社を選べば、安く建てられますか?
そうとは限りません。坪単価は面積の数え方や本体価格に含まれる範囲が会社ごとに違うため、数字が小さくても総額が安いとは限りません。また、同じ会社でも家を大きくすると坪単価は下がります。比べるときは、含まれる範囲をそろえた総額で比較してください。
小さい家のほうが坪単価が高いのはなぜですか?
キッチン・浴室・トイレ・給湯器・玄関ドア・設計や申請の費用など、家の大きさに関係なく必要な費用があるためです。家を小さくしてもこれらはほとんど減らないので、少ない坪数で割ると坪単価が上がります。総額は小さい家のほうが安くなります。
延床面積と施工面積は何が違いますか?
延床面積は各階の床面積の合計です。施工面積は、それに玄関ポーチやバルコニー、吹抜けなどを加えた面積で、会社によって含める範囲が異なります。施工面積で計算すると分母が大きくなるため、同じ家でも坪単価は安く見えます。坪単価を見るときは、どちらの面積で計算しているかを確認してください。
家の広さは、何坪くらいが目安ですか?
家族の人数や暮らし方で変わるため、一律の目安はおすすめしていません。部屋ごとに「何をするか・何を置くか」から必要な広さを決め、廊下や使用頻度の低い部屋を減らしていくと、必要以上に大きくならずに済みます。総額の上限と合わせて、打ち合わせの中で一緒に整理します。
見積りを比較するとき、何をそろえればいいですか?
本体価格に含まれる範囲(照明・カーテン・屋外給排水・申請費用など)と、付帯工事・諸費用・外構を含めた総額です。地盤改良費は土地の調査後でないと確定しませんが、概算の段階から見込み額を入れておくと比較がぶれません。
徳島市・板野郡で家づくりをご検討中の方へ
SIMPLE NOTE 徳島北スタジオ(株式会社スマイルFactory)は、徳島県板野郡北島町を拠点に、平屋と中庭のあるデザイン住宅を手がけています。建物本体価格は1,000万円台からです。
坪単価ではなく、総額と必要な広さから一緒に計画を組み立てます。他社の見積りをお持ちいただければ、含まれる範囲の違いも含めてご説明します。
- 所在地: 〒771-0204 徳島県板野郡北島町鯛浜宇西ノ須33番地1
- 電話: 088-678-7557(10:00〜18:00/水曜定休)
